小さな茶色いアレ(う〇こじゃないYO!)
さて引き続き、タイトル通り、兄弟のイチャイチャの話を書きましょうか。
セイタは実は、生まれてすぐの頃はまーくんに大して興味を持ちませんでした。ほとんど動かないわけですからね。
なんとなく興味を示し始めたのは、まーくんがお座りし始めたくらいでしょうか。
セイタが「いないいないばあ」をしてやったら、まーくんが大爆笑したのです。
セイタ「まーくんすごい笑ってる! 俺、ウケたのはじめて!」
※ちなみにまーくんは、本当に箸が転がっても笑います。
あと、関係ないけど、このセイタが「俺」という一人称を使うようになったのは、意外にも早い年長さん。ママは寂しくなって「まだ『ボク』でいいんじゃない?」と言ってみたけど「だって『ボク』だとのんびりした子だと思われるでしょ?」と自分なりに変な方に自己改造をしたみたいです。
そんなセイタくん、まーくんが大ウケしてくれるので、いつもつまはじきにされている彼としてはまんざらでもありません。
そしてハイハイが始まると「なんか犬みたい」と――ペットを相手する感覚ではありますが――それなりに弟が可愛くなってきたみたいです。
世間では下の子がまだ分からない間は兄姉を優先と言われていました。じっさいなるべくまーくんよりセイタへの愛情を分かりやすく示すようにしていました。なので、この頃はそんなにヤキモチを焼いてなかったし、赤ちゃん返りも無かったです。
まーくんもまーくんで動きが妙なセイタの行動が大好きで、ふざけて何かやる兄に釘付けでした。低学年の男の子の行動は、ウスノロのセイタでも大人より派手(パパは極度に遊ぶのが下手で、言ってみれば地蔵みたいなものだし……)
とにかく何をしていても面白かったみたいです。お兄ちゃんがおもちゃで遊んでいる時も、じっと見ていました。
セイタは気は利きませんが、乱暴なことはいっさいしないので、おもちゃを壊されても怒りません。6つも離れているというのもあるので、喧嘩になりませんでした(セイタの方が何かされて泣きはするけど)
「あとはラスボスだけだ!」とセイタ一人で頑張っていたゲーム。そのゲームソフト(ネコマリオ)をまーくんが真っ二つに折った時も、号泣してはいましたが「なんてことしてくれたんだまーくん、これは大変なことだぞ」と呪いの言葉を浴びせるだけで、特に怒りをあらわに何かする、ということはありませんでした。
年齢が離れていて良かったなと思えるのはまさに兄弟喧嘩が無い、ということにつきますね。赤ちゃんを叱っても仕方ないって言うことがセイタにも分かっているので。
でも兄弟同士の取っ組み合いとか奪い合いがあるほうが、メンタルも力も強くなるのでしょうか……。
うちは二人とも少食で、お菓子の取り合いなんてのも無かったんです。
まーくんはお兄ちゃんに愛されてスクスク育ちました。
この時のまーくんの天敵は、同居している義母の飼っているトイプードルのアンナ(敢えて実名)です。
アンナはうちのパパが言うには義母が甘やかしたせいで、自分のことをこの家のキングだと思っている狂犬です。下手したらTカッププードルに見られるほど小さいので見た目は可愛いのですが、飼い主にマジ噛みしてくるような狂犬です。
大切なことだから二回言ったけど、もう一度言います。
狂犬です。
セイタとも折り合いは悪かったのですが(おもちゃを全部噛まれる、トイレの後フリチンをもがれそうになるなど)
まーくんは何も分からない赤ちゃんなので、逃げようがありません。
ハイハイしているまーくんの背中に飛び乗る。よちよち歩きのまーくんをジャンピングキックして転ばす。
この頃、
まーくんは「岩塚のお子様せんべい」が大好きでした。
他の赤ちゃんせんべいより、なぜかまん丸の、岩塚のお子様せんべいが特別好きで、いつもそれを手に持って歩いてました。ドラッグストアには和光堂の細長いタイプのと、アンパンマンのベビー煎餅しか売ってなくて、西松屋とかバースデイには売ってたんですよね。
なので、服を買いに行った時に、いつも大量購入してました。
まーくんは、基本的にそのせんべいを手に持ってウロウロしていました。
アンナの餌食です。
アンナは背の低いまーくんから簡単にせんべいを奪えるわけです。
なんでしょう。
まーくんがハイハイの時は完全に「あたしという可愛いトイプーが居ながら、別の犬を飼い始めたな?」みたいに感じていたように思えます。
そしてよちよち歩きになると「弟のくせにあたしを見下ろしやがって」って感じで歯をギリギリしていたみたいです。
引用 北斗の拳
アンナ 「ワンワンワン。訳:おい、その煎餅よこせよのび太」
まーくん「やーいいやいあいやい。訳:僕のおせんべいだじょ」
アンナ 「ワオンワオンワオン。訳:黙れ下僕がっ、こうしてやる」
で、ひっくり返されて奪われるわけです。
でもまーくんだけはなぜか、犬用サークルに手を入れても噛み付こうとしなかったんですよね。やはり弟は大事なのでしょうか。
え? 普通だって?
いやいや、うちのアンナ、サークルに入れて鍵閉めようとしたら、毎回襲いかかってきますからね? 下手に檻に手をやれないっすよ。
何が一番嫌ってね、アンナのやつ、心が通じたと思った頃、突然前触れなく襲いかかってくるところなんすよ。
このぐぁんQ、そもそも犬が大好きなんです。
手懐けられない犬は居ないと豪語してましたよ。父の転勤で田舎の方ばかりに滞在していたので、幼少期なんて、まだ周りには野良犬がゴロゴロしていましてね。
野良犬を引き連れて歩いてました。香川県のとある町に住んでいたときでしょうか、近所がバンコクの路上かよってくらい野良犬だらけになったことがあります。パラダイスでした。
その時はマダニに食われたほど常に野良犬と一緒にいたものです。
顔を見ただけでオスかメスか分かるし、目が合っただけで散歩中の犬が寄ってくるくらいの犬使いでしたよ?
通学路沿いに居た飼い犬とは全員お友達だったし。
あるとき友達が脅して怖がらせた犬に、指を噛まれたこともありましたが「ほら、怖くない」って言ったら放してくれました。怯えていただけなんです。
らんらんららんらんらんらん~。
なのにこのアンナときたら。
勝手に人の膝の上や背中に乗ってきて和むもんだから「なんだ、ツンデレかよ、しょせんメス犬だぜ」ってナデナデよしよししてやるじゃないっすか? ムツゴロウさんくらい馴れ合ってもう心が通じ合ったと思って安心していたら、何がどうなっているのか、いきなり気分を害して「ウーッ、ギャワンッギャワンッギャワン!」て牙むきだしで噛もうとするわけですよ。
意味がわからない。
ちなみに、変なところを掻いてやったりはしてませんよ? 本人――いや本犬も、目をつぶって気持ちよさげにウットリまどろんでいたのに、突然っすよ? しかもそれが毎回なもんだから、怖いし傷つくしで、今はまったく相手にしてません。
犬は好きですが、アンナ限定で嫌いになりました。
でも一番アンナのことを嫌いなのは、うちのパパですよ。
一度アンナの耳の毛が、犬用サークルのどこかに引っかかってキャンキャン身動きが取れなくなった時がありまして。
義母が取ろうとしたけど、噛み付こうとするからできない、とSOSが来ました。
いや、私だって怖いんだけど?(゚Д゚)
で、パパに頼みました。パパは元々このアンナが大嫌いです。なぜなら、我が家で一番吠えられてるから。会社行く時も帰ってきた時も、親の仇のように吠えられます。
パパ「なんで俺が?」
と言っていたけど、私が食器洗い用の古いゴム手袋を渡して「これで取れば、噛まれても痛くないんじゃね?」と無理矢理アンナ救出へと送り出しました。
結果、アンナは鬼の様にゴム手袋をしたパパに噛み付きまくりました。
ぶち切れたパパは無言でゴム手袋を脱ぐと、そのゴム手袋でべしっべしっとアンナを叩き出しました。
我が家ではこれを「アンナ、ゴム手袋でべしべしされる事件」と呼んでいます。
でもその時アンナ(牙を剥きながら)が逃げようとしたおかげで、お耳はめでたくゲージの隙間から取れました。(ブチブチッという音がしたとかしなかったとか)
まあ、それ以来、輪をかけて仲が悪いパパとアンナ。
「あいつ、ばあばが死んだら保健所行きだ」
とパパがブツブツつぶやいていたのは聞かなかったことにしておきます。