ヘタレ兄、弟を溺愛する

小学生と園児の男兄弟がヘタレなので、後でイキがって反抗しだした時のために、記録を残しておこうと思いました。

しゃべらない

 

今回は少し真面目な記事です

 

 

 弟のまーくんには(高熱体質と薬嫌いは別として)大きなトラブルが無いと言いましたが、実は兄セイタより周りから心配されていたことがありました。

 

 それは言葉の遅さです。

 

 3歳に入っても「あーあー」「うーうー」くらいしか言えませんでした。

 

 あと、たまに比喩でなく「バブー」が出たりします。

 

 よく遊びに連れ出していた支援センターでのことです。

 

マ マ「今日お誕生日で3歳になったんですけど、まだなにも単語が出ないんですよね~」

 

 と、かるい調子で保育士さんに話しました。

 

 すると保育士さんは顔色を変えて、私の傍から離れなくなりました。

 

 

 どうやら、まーくんが小柄だったので、3歳だとは思ってなかったようです。

 

保育士「え、まーくんそんなに大きかったんですね。……聴きづらくても、言葉っぽい発音にはなってません?」

マ マ「いいえ、まだ『あー』と『うー』くらいですかね。だから『パパ』『ママ』ももちろん言えません」

 

 保育士さんはものすごく心配してくれました。

 

 そもそも私が現在住んでいるところの自治体、前居たところより子供に対して敏感だったように思えます。

 

 だって、1歳半の乳児検診で言葉が話せないだけで、家に電話かかってきましたからね。

 

 セイタがおしゃべり出来るようになったのは2歳8ヶ月1歳半なんて話せなくて当たり前じゃないっすか。こちらはまったく心配なんてしてませんでした。

 

 そこから定期的に育児課から電話を頂いて「まーくん何かおしゃべりするようになりましたか?」と確認されるわけです。3歳児検診でもだいぶ色々言われましたし、聴力検査のテストとか個別でやらされたりしましたが、なにせセイタの小さい頃に比べたらまーくんが異常なんて、ぜんぜん思えませんでした。

 

 むしろセイタの時(前の自治体)に、これだけ心配して欲しかったんだけど?

 

 

 そんなある日のこと、別の児童館で知らないママとしゃべっていた時です。

 

「うちの子、3歳になってもしゃべらなかったんだけど、自閉症って診断されたよ。早く診てもらったほうがいいよ」

 

 と言われました。

 

 なんでも、バイバイのジェスチャーがまともにできない子だったみたいです。

 

「手をね、裏返しにしてバイバイするんだよ、なんかおかしいな、って思ってて」

 

 それ、セイタがそうだったんだけど?(汗)

 

「ドアをずっと開け閉めしてたりって……同じ行動をとるの」

 

 それセイタ

 

「同じ場所に10分と居られなかったり」

 

 それもセイタ

 

「ちょっとしたことで癇癪起こして」

 

 セイタの話っすよね?((( ;゚Д゚)))

 

「寝る時は毎回ギャーギャー大暴れ」

 

 セイアタアアアァァァァアア!!

 

 

 セイタ、何回直しても、手を裏返しにしてバイバイしてたけど!?

 

 ドアの開け閉めも手を挟むまで止めなかったけど!?(しかも口閉じるの忘れてヨダレ垂らしながら)

 

 ああ……そう言えばハンドルもずっと回してた。口閉じるの忘れて、ヨダレだらだら垂らしながら。

 

 セイタ、やっぱり何かあったんじゃ?

 

 就学前検診で引っかかんなかったとは言え、実は今でも口半開きでヨダレ垂らすから怪しいし……。

  

 

 周りがやけに騒いでいたのに、それでもセイタという兄がいたおかげで、まーくんに関してはまったく焦りがありませんでした。

 

「取り敢えず、市の育児課がやってる支援教室に行ってみませんか?」

 

 と再び支援センターで遊ばせていた時、例の保育士さんが勧めてきました。

 

「そこで何か分かれば、小児医療センターに紹介状を書いていただけるので。自閉症だった場合、早めに対処すれば少し改善するようですよ。もしお母さんが心配だったら、ですけれど……」

 

 な、なんか、だんだん不安になってきたYO!

 

 ということで、月2回の支援プログラムに参加することになりました。

 

 一つは言語教室で言語聴覚士の先生と1対1の教室、もう一つは、幼稚園に入る前に、集団生活に慣れさせるための十人くらいからの教室です。

 

 無料ですヾ(*´∀`*)ノ

 

 教室かぁ。そんなものがあっても、セイタの時だったらどうだったろう。前の自治体で、そういう話をしてくれたとしても、そしてむしろ行かせなければいけなくても、お断りしていたかも。

(・ωく)テヘ

 

 だってさー、気に入らない場所だとちょこっと居るだけでも癇癪を起こしていたんだもんセイタ

 

 教室1時間でしょ?(;´д`) 同じ場所にそんなに居られないよ。

 

 そういうところで同じ年頃の子を持つお母さんと情報交換したかったけど、ママ同士がお喋りなんてしようもんなら、セイタったら、俺と遊べとキーキー騒いでましたからねぇ(なので、他のママとじっくり喋ったことが無かった……)

 

 でも、まーくんだったしーー周りから言われてちょっと不安になったという軽い気持ちだけで参加しました。

 

 でも行ったらすごかったです(;・∀・)

 

 セイタタイプの子(カンが強くてずっと泣き叫んでいる)はもちろん、それよりすごいのがうじゃうじゃ居ました。

 

 それよりすごい、って何がすごいかっていうと、激しいんです。

 

 いや、セイタね、寝起きの癇癪は4歳まで凄かったですけど、日中の素行に関しては、実は3歳くらいには素直でいい子になってたんです。しゃべれるようになった時期からですね。

 

 それこそ、2歳児の時によく一緒に遊んでくれて、結果毎回大暴れされた友人から「セイタ急におとなしくなったけど、前頭葉の切除とかした?」と真顔で聞かれたくらい。

 

 なので、実質そこに居た3歳児たちは、セイタがその年齢だった時より、ものすごく激しかったんです。

 

 お友達を突き飛ばしたり、殴りあったり、脱走したり、3歳でもビチビチ大暴れ。なんか……もも、も、もしかして、セイタって普通だったん? みたいな。

 

 そして、幼稚園ってこんな感じだったのかな? と不安になりました。

 

 まーくんセイタと同じで音に敏感でした。誰かが大きな声を出すとそれだけで泣き出すものですから、この支援教室に入ったのは間違いだったんじゃ? って思いました。

 

 でも、幼稚園でそんなこと言ってられないですものね。来年度、あの幼稚園という名の動物園に入れるのですから、少しは練習させておかないと、と思いました。

 

 お母さんたちも目が死んでましたね。発達の遅れに不安を感じる人たちが集められているわけですから、毎日大変だったと思います。

 

 一度その中の子供の一人がまーくんを思い切り突き飛ばしました。小柄なまーくんロケット飛びしたんですが、その子のママ「こぉら、〇〇くん、お友達押したらだめでしょ?」って戒めてました。

 

 押したってレベルじゃねーよな?

 

 って思ったのですが、あまりにお母さんが疲れきっていたので、きっとその子のレベルじゃ押したんだろうって思うことにしました。普段どんだけすごいんだ。(しかも双子。かーちゃん大丈夫か?)

 

 それとは逆に、あまり動きの無い子もいました。歩き始めるのが遅いというだけの、月齢の小さい子もいました。色々なタイプの子が居たのですが、同じ3歳児だと喋らないという点で言えば、うちの子がダントツでした。

 

 言葉の教室は1対1と言いましたが、日付けや時間の都合が付かない時などは、たまに他の子と一緒にやることもありました。

 

 この子のどこが心配なの? って言うほどペラペラしゃべる女の子と一緒になった時は、あまりの差に愕然としたものです。

 

女の子 「ねーねー、まーくん。私のこの靴どう思う?」

まーくん「……うー」

女の子 「可愛い? ねえ、可愛いでしょ?」

まーくん「……」

女の子 「もしかしてまーくん私のこと好きなの?」

まーくん「うーっ、あー、うーっ」(←ちょっと焦っている)

女の子 「そうなのね、私のこと可愛いって思ってるのね!?」

 

 ぐいぐい来るな!Σ(゚д゚lll)

 

 こんなにペラペラ喋ってるのに、言語教室なんて通わせなくても、って思っていたら、いざ教室が始まると、ちょっと気に入らないことがあっただけで絶叫して癇癪を起こし「うん……なるほど」と思いました。

 

 言語教室は就学前までなので今も通っていますが、彼女、現在同じ幼稚園に通っています。年少、年中とシャウト系だったようですが、年長さんになってだいぶ大人しくなったようです。

 

 ちなみに、大人数の方のクラスは、就園前で終了です。

 

 普通の幼稚園が不安な人のために、ここで心身障害児通園施設の説明をしてもらえました。

 

 じっさい幼稚園を決めるまえに、そこの施設も検討できるよう教室にお邪魔させていただき、合同で遊ばせたことがあります。

 

 さらに恐ろしかった。

 

 施設の建物の中に入った途端、年長さんくらいの大きな男の子が走り回っていて、いろんな子を殴りつけてました。それを先生たちが複数で追い掛け回してます。

 

 まーくんくらいの小さい子たち(3歳から入園可)がキッチンセットでおままごとをしていたんですが、そこに向かって突進していき、後ろからどぉーん

 

 3人が数珠つながりに、ぶっ飛んでました。

 

 でも3人ともケロっとしてやがんの。

 

 なにこれ、いつもやられてんの?((((;゚Д゚))))

 

 いや、さすがに大きさ違うからクラス違うよね?((((;゚Д゚))))

 

 え? 一緒? そうですか……。

 

 そういや、セイタの同級生の弟(まーくんの一つ上)が1歳4ヶ月の時、兄貴のチャリンコに轢かれてぶっ飛んでたけど、かーちゃんぜんぜん動じてなかったわ!

 

 セイタよ聞け、ぶっ飛ぶことは当たり前なんだぞ?

 

 

 

 それでその年長さんくらいの子。

 

 今度は入ってきた私とまーくんを見て標的を変え、突進してくるわけです。私はとっさにまーくんに覆いかぶさって、抱えて守りました(だってすごい勢いなんだもん。体格差もあるし)それでも私ごとどついてくるわけです。

 

 うわー、なんやねんこの状況

((((;゚Д゚))))

 

 で、先生がやっと追いついて引き離す。

 

「あらぁ、〇〇くん、小さいお友達と遊びたいのねぇ」

 

 と、先生。

 

 綺麗な若いお母さんがニコニコ笑いながら近づいてきて私に謝ります。

 

「すみませんねー。うちの子、新しい子が入ってくると嬉しくて興奮しちゃうんです」

 

 お母さん、弾丸系の子を育てていても爪にもネイルばっちりで、身なりもきちんとしてらっしゃる。悲壮感が無い! だって、多動症っぽいお子さんでした。

 

 いや、そもそも発達に遅れのある子を集めているわけですから、うちを含めてその場に居る子全員グレーなんでしょうが、でも暴れる系(?)では一番すごかったと思います。

 

 いろんな意味で絶句しました。腹が据わっているというか。2、3人生んでるのか? 悟りの境地にいるのでしょうか。

 

 あれ、セイタの時の私はこんな綺麗なママじゃなかったぞ。

 

 ホームレスみたいな格好で夜も早朝も公園を徘徊していたので、毎日辛くて呪いの言葉を吐いていたんです。子育てを楽しむどころでは無かったのです。

 

 目が死んでない。開き直って子供と向き直るしかない、って感じの強さを感じました。すごい。

 

 でもね、

 

 ここに居たら殺される!

 

 そう思いました。この施設には入れられない。すみません、チキンです、いくら保育料無料でも、無理です。

 

 襲いかかって殴ってくる子を見て「お友達と遊びたいのね」なんていう解釈はできません(震)

 

 なんていうか、ここじゃないと思いました。大暴れ系の遅れている子と、反応が鈍い系の遅れてる子は、別クラスにしないとやばいって!

 

(小学校の支援学級も、元気ありあまる型とのんびりマイペース型に分けた方がいいと思う。ていうか、分けてー)

 

 で、けっきょくほとんど喋れない状態(3歳半でようやく単語がぼちぼちって感じ)で、普通の幼稚園に入れることに決めました。

 

 同学年の女の子たち(発達早いよぉ)との会話は当然無理でしたが、でも他にも話せない子(ただし早生まれ)はちらほら居たのでね。4月生まれのわりに、体も小さかったのでそこまで浮いてませんでした。他のママさんたちは「ああ、お話できないのか、早生まれなのかなー」って感じだったと思います。(ほんとは4歳なんだけど)

 

 なので、普通の幼稚園という選択で、ぜんぜん問題無かったです。

 

 ていうか、幼稚園。

 

 こっちもすごかったけどな!

 

 弟ラブのお兄ちゃんはまーくんを年少から幼稚園に入れるとき「まーくんをあんなところに入れたら死んじゃうよ!」って反対してましたが……。しかも副担任がセイタの時の鬼教官だったからよけいね。

 

「俺、あの先生に高速帽子脱着させられたんだぜ?」

 

 と訴えてくるセイタ

 

 なにそれ? (゚д゚lll)

 

  詳しく聞いてみると、帽子を上手に被れなかったセイタに特別訓練を施してくれたらしく「ハイ脱いで、ハイ被って、ハイ脱いで、ハイ被って」と延々繰り返させられたらしいです。イメージ的には、郷ひろみのジャケットプレイみたいな感じでしょうか?(悩)

 

 それにしても……。

 

 セイタの時より、まーくんのクラス、チョロチョロ系、絶叫系が多いような……。あんなに脱走しまくりだったかな? なんか、もう軽度の遅れで支援施設とか、そんなんどこで区別すんの? あの襲いかかってきた年長さんぽい子もこれじゃあ目立たないっていうか、あの子はまだ支援クラスでサポート受けてるわけで……え、じゃあこの子達このままだったら就学前検診で考えるのかな。

 

 分かんないよ、これじゃあ……。

 

 軽度の発達の遅れは、本当に親の判断に任せる感じです。(けっきょく年長さんや小学生で落ち着いてくる子がほとんどだし)

 

 でも本当に躊躇しました。だってまーくんの入園した年は(セイタの時は人数少なかったのに……)どこが少子化? って言うくらい園児が多かった。

 

(年長になった今、ひとクラス30人で先生1人って大丈夫なん? って感じです)

 

 でも全てが雑な世界で、まーくんもいちいち音が大きいって理由で泣いてられないですよね。

 

 幼稚園のことは、今も(セイタほどではないですが)嫌いみたいです。

 

 でも、思い切って入れてよかった。

 

 強くなったと思います。

 

 単なる成長かもしれませんが、4歳になり、幼稚園に通ううちに、少しずつ言葉を――しかも助詞が無いとは言え、文章っぽい言葉――をしゃべれるようにもなりましたからね(安堵)

 

 まーくん、失敗が嫌いみたいで、らりるれろ、さしすせそ、がうまく言えないから、ほとんど言葉を口にしようとしなかったみたいです。

 

 気のせいかな、と思っていたんですが、3歳で既にひらがなとカタカナが読めていたみたいなんですよ……。壁にひらがな表を貼っていたら勝手に覚えてたみたいなんす。

 

 例えば、リモコンとカタカナで書いた紙にセロテープを貼って手渡すと、無言でとっとっとと歩いて行ってリモコンに貼り付けるわけですよ。

 

↓ カードで特訓の図

 

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 なぜか単語として言わせようとするとダメで、例えば一文字ずつ指差すと「れ」「い」「ぞ」「う」「こ」とは言えるんです。「れいぞうこ」って言ってごらん、って言うと「うっううー」に戻ってしまうという。

 

 ――謎だ。

 

 アウトプットが劇的に遅くてずっとインプットだったのかもしれないですね。

 

 弟ラブなお兄ちゃんは、犬みたいで可愛いからしゃべらないままでいい、と言ってましたが、やっぱりねぇ。永遠にこのまま会話が出来ないんじゃないかって思い始めると焦りますよね。

 

 しゃべらない期間長かったなぁ。

 

 今はゆっくりだけど、ちゃんと会話できてます。めっちゃ声ちいさいけど。

 

 セイタに向かって

 

「あちょんでくれないところちゅよ?」

 

 とか言ってます。

 

 

 

 ※就学前検診の前ですが、来年のために保育課から書類が届きました。↓

 

 

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 何かあれば、一人で抱え込まずに、気軽に自治体に相談してみてください。