母乳かミルクか、それが問題だ(混合って素敵やん)
セイタが年長さんの時、ぐぁんQと同じくもうすぐ出産するお母さんがいました。
0歳児を抱えることになるのに、なぜか卒業対策係に立候補した彼女。私は不思議でしょうがなくて、つい尋ねてしまいました。
ぐぁんQ「赤ちゃんいて大変じゃないの?」
すると、
立候補ママ「大丈夫、混合で育てる予定だから」
混合で育てる予定だから???
混合とは母乳とミルク、どちらでもいけるようにするってことです。
これは世のお母さんが理想とする育て方。
免疫等赤ちゃんの体にいいという母乳と、母親じゃなくても飲ませられる、かつ腹持ちが良く寝つきのいい哺乳瓶によるミルク。
そうです。いいとこどりできるということです。
でもこれ、すごく難しいんです。
セイタを妊娠した時、
「お母さんの体調が悪い時は、ミルク飲んでくれたほうが楽だよ」
と友人から勧められておりました。
そうしたかったよ(´;ω;`)
「混合にする予定だから平気」と言っていたお母さんに、まじまじと「できるの?」と聞いてしまったのには理由があります。
セイタの出産時、里帰り出産でした。
評判の産院で、激混み。(いまは里帰り出産をお断りしているようです)
どこの産院も産婦人科医不足で激混みなんでしょうが、田舎はさらに少ない。しかも綺麗な病院で、先生も面白くて頼もしい、そして退院時、夫婦にフレンチをごちそうしてくれます。
まあ人気なのも分かるのですが……。
ものすごい母乳賛美の病院でした。
そこで出産した場合、どんなに母乳の出が悪いお母さんも、無理やりホルスタイン種のように絞り出されます。
先生は優しいんですが、助産師はけっこうスパルタ。
夜中にバーンッとドアを開けて「今何時だと思ってるの! ミルクの時間よっ!」と寝ている私と赤子をたたき起こし(起きて泣いたらお乳をあげるものだと思っていた)お乳を無理やり口にねじ込ませられます。
入院している間、毎日赤ちゃんの体重をチェックされますよね。
それで体重が足りない場合は、もちろんミルクを足します。
でも、混合は難しいのです!!
助産師さん曰く、赤ちゃんはおっぱいを吸うのに力やコツがいるらしく、哺乳瓶の方が楽とのこと。出やすく飲みやすいので、そこから母乳を拒否しちゃう赤ちゃんがいる、ということで……。
哺乳瓶は楽→おっぱいなんか吸わないよ→完全ミルクになる恐れ→混合なんてできるわけない→母乳の方が赤ちゃんにはいいんだもの→でもミルクは足さなきゃ→そうだ哺乳瓶にしなきゃいいんだ
助産師「うちの産院は哺乳瓶を使わない方針です!」
とコップ飲みの練習をさせられます。小さな飲み口のコップをさらに小さな赤ちゃんの口に当て、ぐびぐびとミルクを流し込みます。
もちろんゲフッ、ゴボアッとなり、脇からダラダラ垂れて飲めてるんだか飲めてないんだか分からない状態なのです。
でも、その病院では仕方ないことなのです。なぜなら母乳至上主義。哺乳瓶に依存させないため、できれば完全母乳にするためですから。
セイタは小さく産まれたのに、私の母乳の出は悪かったようです。ミルクをたくさん足しました。生理的体重減少(出産時より体重は減るもの)というのがあるのを聞いていたとは言え、やはり不安です。
退院する時も、体重は増えなくて2640g、七日目に体重だけ測りにいった時も2742g。二週間目でようやっと3010g。
でもまだ足りないようで、1か月健診で合格をもらうまで、母乳の後のミルクはそのままずっと飲ませるように言われました。
ところが、産院でコップ飲みに使っていた小さい瓶をくれなかった。非売品らしく、購入もできませんでした。ミルクの量が分かるメモリがあって便利だったのに……。
助産師「小さい湯飲みかなにかで飲ませれば大丈夫です」
と言うわけで退院後は、哺乳瓶を使ってミルクの量を測り、そのあとコップに移して飲ませていました。
でもね、小さい湯飲みでも、まだぜんぜん赤ちゃんのおちょぼ口にはデカすぎます。おちょこでもまだ大きい。
口を付けても両脇からだらだらこぼれて、上手く口の中に入れられないのです。
そうするとタオルを置いていても、ほっぺたや首の周りや耳元までがいつもべたべた。ミルクかぶれになるので、お湯で何度も拭きますが肌が弱いから真っ赤になっちゃう。
なにか、なにかいいコップは無いかしら。
ぐぁん母「これなんてどうかしら」
おおっ、ナイス!
ぐぁんQ「はっはっは、まあ、今日はおめでたい日なんで『じぶん下戸なんで』とかは無しですよぉ? ほら、飲めっ『カシスオレンジしか飲めないんです』とかふざけたこと言ってんな? 男なら会津清酒磐梯山」
パ パ「よしなさい、虐待みたいじゃないか。あれ、ゲップしなくね? ゲップって、どうやったらするんだっけ?」
それ虐待! やめて、死んじゃうから、マジで。目が飛び出しちゃうから!(神に誓って力は込めてません:パパ談)
おめめがおっきくなっちゃいました。
ぐぁんQ「おかあさん、大変、目を離した隙にソファーから転がり落ちた!」
ぐぁん母「あらあら、まだ寝返りもうてないのに不思議ねぇ」
救急車だCTだと騒いでいる私の横で、ペタッと冷えピタを貼る母。大きすぎたので半分に切って、もったいないから自分にもくっつけていた。
この母、セイタがおでこを蚊に刺された時、キンカンを塗った人です。それが目に垂れて絶叫したセイタですが、この時の恨みは覚えてないらしく、今でもとてもなついています。
あとどうしても心配だったので産院で「ソファーから落ちたんです、大丈夫でしょうか」と相談したら、先生が「はっはっは、よくやるんだよな。俺も玄関に落っことしてかーちゃんに死ぬほど叱られたっけよぉー」(←東北なまり)
玄関固いけど大丈夫なんですか!?
なんか、健診前に奥さんを待ってて、玄関でベビークーファンをブラブラさせていたら取っ手が片方外れちゃって、赤ちゃんが転がり落ちたとか。
私なら救急車を呼ぶが……もうその頃、このひと医者だったのだろうか(滝汗)
脱線しました。
けっきょく、このちび徳利で飲ませても、口から垂れちゃって、うまく飲んでるかいまいち分かりませんでした。
母乳の出が悪い、体重が増えないと言われ、コップ飲みも上手くいっているのか不安。もうこれ、哺乳瓶で飲ませたほうがいいんじゃね? と心が折れそうでした。
それから1か月。
健診の時、一月ぶりに会ったママたちからジロジロ見られました。なんだろう?? と思っていたら、仲良くなった1人からこう言われました。
「その子、デカくね?」
セイタ、1か月健診で4450gになっていました。同期ママたちの子の誰よりもでかかった。
助産師さん「……ちょっと、おっぱい出すぎでしたかね」
うぉおいいっ。
そういやいつもドビュッシーだったな、パイオツからミサイルみたいに出てたな! 気づいたらセイタの眼球に直撃していたり。
そこから六か月まで母乳一本でした。
まーくんを産んだ産院では、足りない分はミルクを哺乳瓶であげていました。
産院と同じ種類の哺乳瓶を購入したのですが、なぜか逆に母乳以外飲まなくなりました。まーくんはさらにセイタより小さかったので、もっとミルクを飲んでほしかったんですけどね。乳首の型の違うやつをいろいろ試しましたが、けっきょくどの哺乳瓶もダメでした。(セイタの産院での苦労は何だったのか)
まぁ、2時間おきっていうか、5分おきに起きていた時は完全に母乳不足だと思いましたが、たんに繊細だっただけのようです。
離乳食始まっても何度も起きてましたからね。
( ノД`)シクシク…
まーくんの同級生の「混合にする予定だから大丈夫」と言ったお母さん。その後きいたところ「ああ、あれ失敗したわ」と言ってたので、やっぱり両方飲んでもらうのは難しいのでしょうか??
フォローアップミルクも、哺乳瓶の方が楽なんだけど。(あんまり哺乳瓶で吸う期間が長いと、歯並びが悪くなるという説もあり……(-_-;))
ところで、帰省した際に地元の友人が教えてくれました。
「あの母乳賛美の産院、お母さんたちからクレームがいったみたいで、コップ飲み止めたらしいよ」
どれだけ絞っても母乳が出ないものは出ないお母さんも居るらしく、ついには哺乳瓶であげるようになったとか。……まあ、体重が増えないわが子をドキドキ見守るのは辛い。
コップ飲みの「これ本当に飲めているの?」という不安は、誰もが抱えていたわけか。母乳が出てるんだか出てないんだか分からないのだから、せめてミルクはちゃんと飲んでほしいですよね。
話は変わりますが、生理が始まるころに母乳の味が変わるって話は本当なのでしょうか。
セイタのやつ、まだ離乳食もちゃんとできてないのに突然母乳を拒否しました。生後六か月です。
哺乳瓶を敢えて拒否するよう育てられたセイタ。スプーンなどで無理やり流し込みましたがうまくいかず。これでは飢え死にしてしまう! と半狂乱になりました。
で、心労のためか、腹痛で倒れました。この時ばかりは赤ちゃんがいるので救急車を自分で呼びました。保険証とセイタのオムツだけ突っ込んで、救急隊員にセイタを抱っこしてもらって、病院に連れて行ってもらいました。
この時は原因不明で、腹痛も収まったのでいったん家に帰されました。
直後生理が始まり、もともと患っていた子宮内膜症から(おそらくこれが原因)卵巣嚢腫が破裂して、再び入院したのですが、さすがにセイタの胃袋が死活問題だったらしく、哺乳瓶でミルクを飲むようになりました。
※母乳は入院中の点滴成分(開腹手術だったので麻酔やら抗生物質やら)が含まれるため、病院で搾乳して捨てていました。充分に薬剤成分が無くなったと判断された場合、冷凍保存して持って帰って哺乳瓶であげることも可能。この頃は電動搾乳機が神だった。
案外飢え死にしかけると、どれだけ哺乳瓶を拒否するように訓練されていても飲むようになるのかもしれません。
そして、あの時ハゲるほど心配し(授乳中、しばらく髪の毛抜けまくります)、体重計を見て一喜一憂していましたが、ほとんどの子は気にすることないのかもしれません。
現在、赤ちゃんの体重が増えなくて悩んでいるお母さん、ちょっと落ち着きましょう。
でないとセイタみたいに、予想以上にバカでかくなってしまうかも?(現在も身長だけはでっかいよ)