ヘタレ兄、弟を溺愛する

小学生と園児の男兄弟がヘタレなので、後でイキがって反抗しだした時のために、記録を残しておこうと思いました。

恋バナがしたくなった……だけのはずが。パート4(最終章)

 

 ぜ、前回の記事の続きです。この話長い? とか言わないように。

 

 ちょっとまとめますと、マルチ商法から足を洗った友人Nくんが、今度は起業家サークルという話を持ってきて、さらには知り合いの「先生」ことコンサルティング社長セミナーへの参加を促すようになりました。で、ぐぁんQの友人2人が参加しました。(←いまここ)

 
 そのうちの1人スズピーは、セミナーに参加後「ああ、これが噂のあれだったのか」って感じですぐ退会しました。しかしもう1人の友人ベスは、いくら周りが説得してもダメでした。

 

 目がいっちゃってる。洗脳されている状態をその時初めて間近で見たけど、こ、怖かった。


 Nくんと違い、このベスはしつこかった。例のコンサル社長の居る本部のサークルでは、Nくんとともに幹部にされているようで、私もいろいろな友人を紹介してくれと言われるようになりました。

 

ベ ス 「ぐぁんQの会社の同期の子を、起業家サークル誘いたいんだけど紹介して」
ぐぁんQ「え? いや、私の友達になんで声かけるの? その辺りを歩いている人捕まえて誘えばいいじゃん」
ベ ス 「信頼関係が大事だから、私が信頼しているぐぁんQの友達じゃないとダメなの」
ぐぁんQ「私の友達はそもそもベスのこと知らないんだから、信頼関係もなにも無いよね? あとべスのことは信頼してるけど、その社長のことはまったく信用してないから無理、断る」
ベ ス 「なんでその判断をぐぁんQがするのよ、直接会わせて、ぐぁんQの友達自身に選ばせなよ」

 

 それだと私の信用にかかわるじゃねーか。誰が紹介するかよ。((((;゚Д゚))))

 

 こっちはそもそも、自分がふられた時の保険のためにあれこれ世話やいてたんだっての。紹介するのは男女の恋に繋がるためのものじゃないと。こんな詐欺っぽい話を聞かせるために紹介するのは絶対嫌。っていうか絞め殺される。

 

 しきりと友達を紹介しろとせっついてくるベス

 ベスは中学からの友人です。上京組でしょっちゅうつるんで遊んでいて、旅行やイベントの時は必ず彼女が居て、終電が無くなったらアパートに泊めてくれたり、いろいろ恩もあるし、まあ、迷惑も何度か被ったけど、おもしろい子だったんです。悲しい。


 やはり地元からの友人メサ子に言われました。

 

「ぐぁんQ、悪いけど私の結婚式はN君はもちろん、ベスも呼ばないよ」

 

 メサ子は1回しかベスに会わせたことが無い友人を、メサ子に内緒で勧誘されたそうで、カンカンに怒っていました。

 披露宴や二次会で勧誘されたらたまらないですものね。

 

 私も結婚しましたが、二次会では思い切り警戒しました。三次会の途中で「仕事があるから」とNくんと2人で去っていったので、正直ほっとしました。(仕事とは勧誘活動のことです。旦那の方の友人に声掛けされなくてよかった)

 

 さらに子供が生まれて疎遠になりましたが、ベスから「セイタと遊びたいから今度会おうよ」って言われただけで警戒しちゃいましたしね。

 

 ママ友勧誘されても困るし、もうそんなの、もうまともな友人関係とは言えない。

 

 ヘロちゃん「心配だけど、私もあんまり深入りできないよ。家族に害があったらやばいし」

 Nくんもそうなんですが、既に会わせたことがある友人に勝手に連絡される。これ一番恐怖。既にお互いが気の置けない友人関係になっているならともかく、知り合い程度で連絡されたらたまらん。こちらが文句言われますからね。

 

 ついには幼稚園児からの幼馴染のヘロちゃんにまで見捨てられてしまったベス

 

 脱会してきたスズピーの話を聞いて、さらにそのえげつなさが分かったので、みんな被害の拡大を恐れて疎遠になりました。

 
 その後どんな風に勧誘していったかは不明です。連絡を絶ったので。

 

 というか、私以外も、おそくらもう友人は全員連絡をとってないでしょう。

 
 その後、どうなったのかな(震)

 

 で、おそらく当時、国民生活センターか何かに相談しようとしたのでしょう。

 

 メモの殴り書きがちょっと残っていたので、自分で洗脳が解けて脱会したスズピーの話を書きます。(彼女が脱会するまでは何やってるかいまいち分かりませんでした)

 例のコンサル社長の、1日8時間で20万円という受講料のセミナーの話です。(回数を分けないのは脳みそを疲れさせるためでしょうか……)

『ここでの話は全て機密事項です。今後50年間、いっさい外に漏らしません』という「誓約書」を書かされたそうです。各サークルのリーダーを守るために、弁護士立ち合いのもと、必要な条文すべて盛り込まれた書類だから、と念押しされ、記入と同時に奪い取るように回収されたそうです。

 

 辞める時もセミナーのことを他でばらされるのではないか、と詰め寄られたそうです。

 Nくん曰く風評被害をばらまかれたら困るよ」とのことです。

「怖かったから『仕事が忙しくなって辞めたって言うから~』って逃げてきた」スズピー。怖くてしばらく誰にも相談できなかったようです。

 そもそも気軽なはずの、起業家サークルの飲み会の内容すらいっさい秘密だったんです。

 

 友人同士が集まって会って近況を報告しあっても、ベスとは会話にならない。守秘義務守秘義務とまったく状況が分からない。疎遠になるのも仕方ない。

ベスは同じことを繰り返します。

 

ベス「秘密を共有することによって信頼関係が生まれ、将来起業するための基盤が生まれるんだよ」

 

 これ完全にNくんの受け売りじゃん。

 

 悲しいかな、Nくんほど弁舌さわやかじゃないので、その棒読みのしどろもどろの言わされてる感が痛々しかった。それであのどこを見ているか分からない視線(震)

 

「内容を知りたかったらサークルに入って」と言われて、あんたのこと心配してあれこれ聞いてるんでしょうが! と何度切れかけたか。

 

 スズピー「まあ、ある意味勉強になった。高い授業料だったけどね」

 起業家サークルの飲み会代(大して飲み食いしないらしい)である月の会費の1万円の半分は、本部に流れ込んでいたようですし、勧誘初期から掌の上で転がされていたと言います。

 セミナーに参加して分かったようですが、起業家サークルに誘う段階から、もうすべてマニュアル化されていたそうで、スズピー震え上がっていました。

 けっきょく起業のノウハウを教えてくれるはずのセミナーでは、哲学や心理学を織り交ぜた、精神論しか教えてもらえなかったそうです。

 

 これなら巷に出回ってる起業の本買って読んだほうがましじゃん。ってな感じです。

 

 しかも超能力みたいな手品みたいなこともやってのけたそうで、え? 何? 起業家じゃないの? サイババ的カリスマなの?(あ、サイババよく覚えてたな)ともうめちゃくちゃ。

Nくん「先生(おそらく書籍のプロフィールを見ると私と同い年だけど先生だって)は、一目見るだけで相手がどういう人間か分かるんだよ」

 と言われて、スズピーがいざその社長と顔を合わせてみたら、

コンサル社長「君、いいお母さんになるよ」

 って言われて「ああ、この人違うわ」って思ったらしい。

 

 スズピー最近結婚しましたが、子供を作る気はありません。当時は結婚の「け」の字も考えてなかったでしょう。

 

メサ子「じゃあ、なんでそんな高いセミナー受けようと思ったのよ?」


 スズピー、月2回のサークルの段階からそうだったと言ってますが、彼女も半ば洗脳されていたそうです。

 サークルの中心にいるリーダー(友人を勧誘してサークルを作る立場の人)は、ことあるごとに「楽しい? それじゃあ、そういう場を提供してくれた先生に感謝しなきゃね」と諭してくるそうです。みんな性格もすっかり変わっていったといいます。

 

 何よりも、話し方は本当にうまいらしく「すごい人だな」って思わせちゃうのがうまかったそうです。しかも人間としては「いいこと」を言う。

 確かにベス。あきらかに「いい人」になっているのです。前は毒ばっかり吐いていて、わがままで奔放で、道を歩けば皆目をそらすくらいの眼光の鋭さだったのに、ぼんやりした目で口調もおかしい。

 

ベス「今までの私は、本当の私じゃなかった。周りからそういうキャラ付けされてたけど、本当は違ったの。人に感謝すること、人に愛を与えることを教えてもらって変わったの」

 

 こっわっ。

 

 確かに変わったけど! 変に道徳的になっていて……なんといいますか、宗教か! って感じに変わってしまって、ぞぞっとしたのを覚えています。

 ところで、カルチャーセンターの事務員をしていたスズピーの方は――。

 

 自分の親に相談して「仕事がら『先生』って呼ばれている人に会ってるんでしょう? 自分の目を信じなさい」と言われて、サークルを退会してから、ああ、なんであんなのにひっかかってたんだろう、ってはっきり目が覚めたらしく。

 それまではサークルの段階で、熱く夢を語り合う雰囲気に飲まれて、気づかなかったと言っています。セミナーに参加する時に書かされた申込書も、クーリングオフとかまったく気にしなかったと言っています。

 

 サークル(平メンバー)→洗脳(される)→セミナーへ→勧誘する立場になると幹部へ→サークル(リーダー)→洗脳(する)→セミナーへ 無限ループ

 

 という法則らしいです。

 私が逆説得を試みてベスに会いに行くとき(向こうも「サークルのこと誤解があるみたいだからもう一回ちゃんと説明させて」と言ってきた)、スズピーはすごく親身になってくれました。

スズピー「いい? 絶対ベスにお店を選ばせちゃダメだよ、後から幹部が来るからね! ていうか、幹部ってNくんのみならず、ベスちゃんもだから! セミナーでは幹部席だったからね!」

 とのこと。申込書や誓約書を書かせてその場で(奪い取るように)回収することや、人と面会する時の方法、勧誘の時の口上が全て詳しくマニュアル化されているんです。

 

 ぐぁんQがミイラ取りのミイラにならないか、さぞかし心配だったでしょう。

 まあ、説得はできませんでしたよ。ふん。だめだありゃ。

 

ぐぁんQ「そもそも旅行関係の会社立ち上げたいから参加したんじゃなかったの? それが夢だったんじゃなかったの?」

べス 「私の夢はもういいの。私の夢は、みんなが独立することになったの」

 

 この独立とは起業ではなく、各々が自分のサークルを持つようになることだそうです。

 

 ちょっと、このサークルって起業と何にも関係ないじゃん。メンバーが株式会社の発起人になるわけでもなく、資本金集める仲間でもなく、けっきょく何がしたかったんだよ??

(#^ω^)セミナー代(金儲け)取りたいとしか思えないじゃん。

 

 

 

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洗脳された人

 

 パトラッシュ、僕もう疲れたよ。



 スズピーだけでも戻ってきてくれてよかった。そして結果的に潜入捜査みたいになってお疲れと言いたい。ガチやばそうな集団だったんだと思う。おそらく一緒にニューげふぅんを辞めた人も関わってただろうから。

 退会できて良かった……。

 修学旅行やスノボや海外旅行、すべての思い出の中には必ずベスが居ますが、電話番号も変えたので、もう完全に縁が切れています。

 

 後悔は若かったころにハマったの仲人趣味。バイトのツテから繋がった「バンドマンNくん」と合コンしなきゃよかったお
_| ̄|○

 

 将来詐欺まがいの商法に手を出す子だと予想はできなかったとは言え、まったく関わりのなかった別の友人から言わせると、

 

「けっきょく地味に働こうとしない男は、楽して儲けようとして、似たようなものを一生追い続けるんだよ」と言ってました。みんな鋭いこと言うね。

 

 プロを目指して挫折し、起業して挫折し、マルチ商法で挫折し、セミナー商法へ……。Nくん洗脳されているわけではなく、分かっていてやっています。友達を食い物にしたこいつは、もし会う機会があったらかかと落としじゃすまない。

 

 あと、もしまともになっても洗脳されていたせいとか人のせいにするなよべス。もとからなんでも周囲のせいにするところがあったからな? 騙されてるかもしれないことから目をそらすプライドの高さもだめ。納得してやっていると思わされるのが常套なんだから。

 

 発覚が遅れてすべて知ったのがだいぶ後だったのだけれど、もっとどうにかできなかったのかと悔やまれます。(子供世代が食い物にされたらやだ)

 

 Nくんは頭のいい子だったから、今はさっさと見切りをつけて違うことをやっている気がします。もっと悪どい金儲けを、SNSを使って、違うやり方でやっているのかも。

 

 願わくば、人様に迷惑をかけない職業についているといいのですが。
 
 べスは今何をしているかなぁ。

 

 あれだけ頑張って国家資格取ったのだから、もとの旅行会社の仕事に戻っているといいのだけど。(その起業家サークルに入って、辞めちゃいました)

 

 当時の友人たちとたまに集まっても、彼女の話は出てきません。敢えて、出さないのかも。ぽっと出の社長とやらに負けて、友人を切り捨てるしか力が無かったことが、自分たちの汚点ですものね。

 

 ところで結婚式にベスを呼ばなかったメサ子という友人の後日談。

 

メサ子「どど、どうしよう、ぐぁんQ。母がマルチ商法にはまっちゃって変なフライパンとかいっぱい買わされてるよ、しかも私を勧誘してくる」

 家族が手を出しちゃうとどうしようもないね(;’∀’)

 

 恋バナがしたかっただけなのですが、なんか、友達を失うという重く脱線した記事になりました。思い出して腹立ちまじりに買いたので、いつにも増してまとまってない文章ですが、読んでくれてありがとぅうううう。

 

 

 そのうち、ちゃんとした恋バナ記事を書きたいな。

ヽ(^o^)丿